院長紹介 安井院長の奇跡の軌跡ー第七章|失意のどん底へ―魂の再生

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失意のどん底で彷徨う魂

東京を離れてみたものの

第六章では、日本橋茅場町に移転してから、「或る個人的な問題が生じて」何万人かに一人が経験するかしないかという、人生の深部を揺るがす事態に遭遇する事態が起きてしまったこと。

それは、有頂天になっている自分に対して天から与えられた「やり直しの”痛い”チャンス」だったというところまでを書きました。

然し、「やり直しの”痛い”チャンス」は、私にはダメージが大きく、せっかく出た東京を離れて自宅に戻ることになってしまいます。

「東京へ出て、まるでボロ雑巾になって帰って来た」と、人に例えられる状態になっていた私は、来る日も来る日も、生気が抜けたような状態で過ごしていました。

当時のノートに二行だけ書き記して残っています。

「このまま生きていて良いことがあるのだろうか?」
「生きていて良かったと思える日が来るのだろうか?」

人生に浮沈はつきものです。何年、何十年と積み上げた努力、地位、名誉、財産も、一瞬のうちに、猟師に撃たれた鳥のようにあっという間に地に落ちてしまいます。

私の場合も、努力を積み上げて、積み上げた努力が実って東京へ出る機会になり、雑誌に掲載されて、順風満帆でいたのに、予期せぬことでパタリと地に落ちてしまいました。
だだ、思うのは”予期せぬこと”ではなく、”千里の堤も蟻の一穴より崩る”の諺が示すように、常に万全の注意を払う必要があるということでしょう。

東京を離れ、ボロ雑巾状態で家に戻って来ても、精神的な痛手が癒えるわけでもなく、家族の中では自分だけが”渦中の人”という感じで過ごしていました。

初めてみた不思議な光のメッセージ?

東京から戻ってどれくらいの日にちが経ったでしょうか?
家の中にも、家の外にも、居場所が無い感じだった私でしたが、目的もなく車で外出しました。

時刻は夕方近く、当てもなく独りで適当に車を走らせているうちに、何度か足を運んだことのある高原牧場へ行き着いていました。

人気の無い牧場脇の道路に車を止めて、太陽が西に沈みかける中で、溜息交じりで途方に暮れた気持ちを抱えて、澄み渡った空に輝き出した星を眺めていました。

まとまりのないモヤモヤした気持ちを紛らわすように、まだ薄明が残る空の上空彼方に、光を点滅させた飛行機が音もなく西から東へ移動するのを目で追ってみたり、時間とともに輝きを増す星に見入ってみたり、そんな静かな時間を過ごしていた時のことでした。

車の中から、東の空をなんとなく眺めていたところ、飛行機の高度からはだいぶ低い位置に、白っぽい星のような明るさのものが動いていることに気づきました。

最初は、動いているのかいないのか分からないくらいでしたので、人工衛星かと思って目を凝らして見ていたのですが、すると突然その光が、右へスッーと移動したかと思うと、今度は左斜め下へ瞬時に移動し、また右へ、左へ、ジグザグに瞬間移動するではないですか?

「あれは何だろう?あれがUFO?」
そう思うか思わないかのうちに、その光はパッと消えてしまいました。

私は、雲の中に入ったのかと思ったのですが、次の瞬間には少し離れた場所に再び出現し、また左右、上下の瞬間移動を繰り返した後、一瞬で消えてしまいました。

どこかに遠のいて消えて行くのではなく、一瞬で消えてしまったのです。

光の輝きや大きさから推測される私からの距離は、飛行機よりも遠く感じました。その距離での左右上下の移動距離は、飛行機の場合であれば、移動に5~6秒は掛かるであろう距離をコンマ何秒という速度で移動していたのですから、距離の実測は出来ないまでも相当な速度であったろうと思います。

また、上下、左右、ジグザグに瞬間的に動ける光…あれは何だったのでしょうか?
未確認の物体である以上は、UFOに違いないのですが、もう一度、あの不思議な物体を見たくて、その後何度か同じ場所に何度か足を運びましたが、見ることは叶わないままです。

奇跡ともいえるようなT氏との出会い

その不思議な光を見て何日か経過しても、立ち直るチャンスる見つけることが出来ないまま、私は無気力な日々を過ごしていた日のことです。

昼間から、自宅のリビングで、決まったテレビ番組を観るというでもなく、ただただ、テレビのリモコンのチャンネルを送る矢印ボタンを押して、番組を切り替えていた時のことでした。

普段であれば、テレビを観る時は、テレビ画面の番組表を見て番組を選んで観るものなのですが、きっと軽い鬱状態のようだったのでしょう。テレビを観たいわけでもなく、送りボタンだけでチャンネルを変えていたのですが、その移り変わるテレビ画面に一瞬のことでしたが、私の気を引く映像が映し出されてチャンネルを止めました。

番組映像は、お城を背景に、その前庭に佇む高齢男性の姿が移っただけでしたが、その男性が俳優ではなかったことと、私の好きな「日本のお城」が移っていたことから、私の気を引いたのでしょう。

番組の、BGMの様に映像と一緒に流れていたのは、この男性の体験談を紹介する声でした。

内容としては、「腕の良い左官業だったこの男性が、取引先の倒産によって自身まで倒産する羽目になり、失意のどん底で自殺まで考えていた中、家族からキリスト教の集会に誘われて不思議な体験をして人生が変わった」というもので、背景のお城も、この男性が過去に壁の塗り替え作業などに携わったことのあるという、長野県の「松本城」でした。

私は、日本の職人の仕事に興味、関心があることと、その人の人生の中での大きな挫折体験が自分の現在と重なり合ったこともあって、番組に釘付けになって、その内容に聞き入ってしまいました。

また、話の中で「その男性の師匠である方を訪ねて、倒産してしまったことを詫びたところ、『いいんだ、いいんだ。職人の仕事だけが全てじゃない』と師匠も涙ながらにその男性を迎えてくれた」というのですね。

その時の私の気持ちは、何かその話の内容に癒され、動かされるのと同時に、人恋しさと、その人と同じように自分も救われたい…との気持ちから、何かを考えて判断する余裕とかは無く、番組終了時に流れる問い合わせ先の電話番号へ躊躇なく電話をしていました。

私が電話を掛けた先は、恐らく番組を制作したキリスト教の団体だったと思うのですが、私は、是非その方とお会いしたいと電話口でお願いをしたものでした。

後日、私のところへ、ご本人「T氏」から快いお招きをお手紙が届きまして、私は電話でアポイントを取らせて頂いて、長野県へその方を訪ねることなるまでに時間を要しませんでした。

自分自身の再起を信じて 

私の自宅から、当時、T氏が住んでいらした長野県S市までは、高速道路を使っても片道約4時間。

それでも、私は懐かしい人に会うに行くような嬉しい気持ち一杯でした。

T氏のご自宅を訪ねて、私を迎えて下さったT氏と、T氏の奥様は、とても柔和な笑顔でした。
すぐに、私を近くのお蕎麦屋さんへ連れて行って下さり、美味しい信州そばをご馳走してくれて、私のこれまでの経緯や現状を熱心に聞いて下さりました。

そして、番組で放送されていたご自身の体験談も更に細かく話して下さって、T氏の弟子修業時代、その後の立身出世、そして倒産、自死を覚悟する中で誘われたクリスチャン集会での不思議なな体験、その後のご自身の復活…。

以降、現在もキリストに助けられながらの生活を続けられているというお話は、私の魂を潤すと同時に私の心の闇を照らす確かな光となって、心の底から救われた気持ちになったのです。
T氏の失意のどん底にあった年齢が私の年齢と同じだったと聞いた私は、(私もキリストに助けられたい!)と救いを求めたのは自然な流れでした。

「救い」とはどこに生まれるのか?

私は、T氏の様な目の覚めるような不思議体験が自分の身にも起こることを期待していましたし、私にも奇跡の復活が起きて早く楽になりたい、早く輝かしい自分に戻りたいと期待しました。

同時に、T氏に教えて頂きながら、毎日のように神様に祈り、助けを求めながら、長野県S市で開かれていたキリスト教の集会に集うために、片道4時間ほどを掛けて通ったものです。

当時はお金に困窮していたので、高速道路のお金や有料道路のお金は節約し、遠回りでも、険しい道でも一般道路だけを選んで通い、帰りは夜中になったので出会う車の無い峠道をエンジンを切って惰性だけで降りて来るなどガソリンの節約を試みたりと工夫をしたものです。

ところが、そのような努力や必死さも虚しく、通っても通っても、車の中で声が枯れるほどに大きな声で祈って神様に助けを乞うようにしても、一向に変化はおこりませんでした。

振り返ってみると、どん底の底辺でうなだれていた私が、T氏という救いと復活の生き証人でありながら、良き相談者であり恩師を得ることが出来たことや、教えられた通りにキリストに助けを求めて必死に祈り、長距離を運転して通うという行動に移ったこと自体が変化の始まりだったと、その時は気付けずにいました。

精神的には死の淵に在った私は、その時点では、そのように客観的に自分を見つめるほどの余裕は全くありませんでしけれども、T氏も他界してしまった今となると、懐かしく大切な思い出となっています。

整体を習い始めた時に整体院に泊まり込んだ時もそうでしたが、神様に救いを求めるにしても、とにかく一途になるということは大切です。

今、悩みの中にあるへ方も先ずは自分が謙虚になって、どのような苦しみの中でも一歩下がって「信じて行動するところに光も復活も在る」と伝えたいです。

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